学校法人奈良学園

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◇2011-04-25 (月)

春期第1講座(全6回)第2回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で春期第1講座(全6回)の第2回目を開催しました。本講座は《志賀直哉旧居で読む近代文学シリーズⅢ》と《地名から視たやまと文化》を各3回ずつ前者は京大以文会評議員の植村正純先生の、後者は文学博士の池田末則先生の担当で進められます。本日は池田先生による「地名から視たやまと文化」の講座の1回目が開かれました。

講座は、「私が池田末則です」「私"は"と私"が"では、意味が大きく違いますよね」と、一字一句の表象を大切にされる先生ならではの挨拶で始まりました。そして「皆さん、ご自分の住まいの小字をご存知ですか?」と続けられた後で、奈良の地名を中心にその成り立ちと変異を、表記や発音から説明くださいました。

先生は、昭和18年から奈良県の小字のすべてを市町村役場に行って調べ、その成立の背景を逐一調査、研究結果をまとめられた『大和地名大辞典』を持参され、「私が愛用している旅枕ですが」と、皆を笑わせられました。そして、地名は元明天皇の令で「2字」と決められ現在に至っているが、"地名は日本の原風土を伝える古代史の証である"とおっしゃり、次々とその例を挙げていかれました。

例えば「奈良」。「ナラ」は草木を踏み「慣ら」した地を言い、転訛・改字を重ねてきたとのこと。"あいまい"が好きな民族であることと、誤写などにより、複雑極まりない伝承をしているものもあると、その例も多数挙げられました。「キトラ古墳」「メスリ古墳」「藤ノ木古墳」などの語源についても興味深いお話が伺えました。

受講生の皆さんは、先生の噛み砕いた説明に、「なるほど~!」とか、「そういうことだったのか」など、地名の不思議や由来を知って、驚いたり納得したり、その伝承により深い関心を抱かれたようです。

朝から春嵐に見舞われた旧居界隈でしたが、講座の終わる頃には陽光が差し、前庭の馬酔木の花の雨雫に反射、白く可憐な花をひときわ美しく見せていました。

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