学校法人奈良学園

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◇2011-05-02 (月)

春期第2講座《古典文学シリーズⅡ》を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で春期公開講座《志賀直哉旧居で読む古典文学シリーズⅡ<源氏物語>》を開催しました。本講座は"源氏をめぐる女性たち①"として、紫式部の男性観、女性観などを読んでいきます。講師は当館の北森貞次館長です。

本講座の受講生は、冬期講座の古典文学シリーズ<源氏物語>を受講した方々がほとんどです。それを踏まえて、『宇治十帖』に登場した大君、中君、浮舟それぞれの女性と薫の人物像のまとめから入りました。浮舟が二人の男性の愛に苦しんだ末、すべてを断ち切ったのは、当時女性が不本意に扱われることに対する式部の抗議であり、薫は優柔不断ながら女性に誠実、という当時には稀有な存在の描かれ方で、式部の理想像だったのではと先生。そして「古くは『更級日記』の菅原孝標女が絶賛し、あの与謝野晶子、瀬戸内寂聴などがあれだけ『源氏物語』に執着するのはどうしてなのか、そこに着眼を置いて読んでいきましょう」とのことです。

また、古典における「音韻の変化の法則性」を知っているとスムーズに詠み進められると、1.母音の重複を避ける (1)子音の挿入 (2)一方が脱落 (3)音変化 2.bm通韻 3.同行通韻 4.ハ行点呼音 5.連声 6.連濁 など、具体例を挙げて説明した後、物語の『きりつぼ(桐壺)』に入りました。

ここではまず系図から。桐壺帝に寵愛された桐壺更衣ですが、第一夫人に右大臣の娘・弘徽殿女御の存在があり、宮中の多くの女御たちから妬まれ、そねまれ、甚だしい嫌がらせを受けました。ただ帝との間の子・光源氏のその美しさは誰もが認めるところでした。そして桐壺更衣は、体調を崩して里下がり、そのまま帰らぬ人となりました。次回は、成長していく光源氏の話となります。先生から「系図を念頭に置いて何度も読んでみてください」と宿題をいただき、本日の講座は終了しました。

旧居の南庭には、十二単が鮮やかな紫の花を、その隣ではドウダンツツジも赤くかわいい花をいっぱい付けていました。

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