学校法人奈良学園

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◇2011-11-08 (火)

特別公開講座《古典文学シリーズⅢ》を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で特別公開講座《志賀直哉旧居で読む古典文学シリーズⅢ》第6回を開催しました。本講座は"源氏の後半生"として『花宴』から『幻』までの要所の抜粋を、紫式部の男性観、女性観などとともに、読み進めていきます。講師は当館の北森貞次館長です。

10月末から昨夜まで月曜ごとに、Cu-Calの奈良フードフェスティバル2011の会場となっていました旧居、志賀直哉はここで繰り広げられた食の饗宴に「いやあ、おいしい奈良、できましたなあ」と思ってくれたことでしょうか。その食堂が本日も源氏物語のサロンとして、受講の皆さんの文学熱に包まれました。

物語は『すま(須磨)』の続き、須磨に近い明石の入道が、娘を源氏と結婚させようと妻に持ちかける場面からです。妻は、源氏の素行を理由に冷静な判断で反対しますが、入道は、構わず突っ走ります。その年、ひどい嵐がこの地を襲い、なかなか去りません。次の『あかし(明石)』も嵐に翻弄される源氏で始まります。

源氏の夢に故桐壺院が現われ、京の朱雀帝に言いたいことがあって来た道でここに立ち寄ったが、「源氏よ、住吉の神の導きで須磨を去れ」と諭します。そして都で桐壺院は、朱雀帝の夢枕で源氏赦免を命じます。すると朱雀帝は目を病み、その母・弘徽殿も体調を崩し、太政大臣(右大臣)は逝去と不吉なことばかり起きるのでした。

さて、結婚に乗り気でなかった源氏と入道の娘(明石上)でしたが結局結ばれ、物語は『みをつくし(澪標)』へ。源氏28歳、紫上20歳、明石上17歳の頃です。帰京した源氏は、桐壺院の八講(追善供養)を。朱雀帝は退位を決意するものの、朧月夜のことが気がかりでなりません。そして冷泉帝(桐壺帝<実は源氏>と藤壺の子)の世となります。摂政職は頭中将に譲り、内大臣職に就いた源氏、ここから一門の栄華が始まります。

本日は先週とは打って変わった冷え込みの日となり、戸を立てての講義となりました。秋が進み、二階の書斎窓辺も吊るし柿に彩られ、訪れる人の目を楽しませています。玄関の花は、ヤマラッキョウとウメバチソウ、センブリの3種仕立て鉢。当館職員が某紙に投稿した「猛暑で玄関に生ける花がなくなった・・・」との一文に目を留められた某氏が持参されたものです。旧居がいろいろな方に愛され親しまれていることは、うれしい限りです。

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