◇2015-05-26 （火）
本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で近代文学前期講座が始まりました。この講座は、京都大学以文会前評議員の植村正純先生を講師にお迎えし、「文学表現の諸相」をテーマに全5回で行われます。植村先生にお越しいただくのは今期で9回目。このところのテーマである文学表現について、今期はおもに井上靖を題材に講義をしていただきます。
我が国には、詩人から小説家へと転身した作家が多くありますが、井上靖は終生においてその両方を続けた人物。本講座では、その相関関係や制作過程について作品を実際に読みながら追ります。第１回となる今回は、井上靖が詩の世界へ入るきっかけとなった３つの作品を紹介されたあと、小説と詩、２つの『漆胡樽』（しっこかん）を読み比べました。
今回は39名の方が参加。５月のすがすがしい日差しが差し込む旧居・食堂で先生が朗読されるのを、小説のシーンを想像されているのでしょうか、目を閉じて聴いていらっしゃる方もおられました。また、講義のなかで先生が「余談ですが」と話してくださるお話がとても興味深く、「先生の幅広い知識のなかからいろいろな話を聞けるのが楽しくて」と連続して受講されている方も多くいらっしゃいました。
旧居の庭では、芝の緑がとても美しく、またホタルブクロがかわらしい姿を見せてくれています。
