学校法人奈良学園

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◇2010-08-23 (月)

夏季特別公開講座(全5回)第5回を開催

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で「奈良再発見」をテーマに夏季特別講座の第5回目を開催しました。
今回は、志賀直哉旧居の隣宅に住んで幼少時に接触もあり、志賀直哉旧居保存運動の先頭に立ってこられた画家の中村一雄先生による「志賀さんに会ったころ」と題した講義でした。現在は、本講座の前講師陣と同じ「白樺サロン」有志としてその貴重な遺産の継承を進めているお一人です。

中村氏は、父で画家の中村義夫氏と志賀直哉の "隣のよしみ"づきあいに始まり、15年前、カフェ「たかばたけサロン」を訪れた元志賀家の女中さんから聞いた直哉の間癪な一面などの内部事情や、徹底したグルメ通ぶりなどを披露されました。「その明治気質や一流好み、そして潔い性格と小動物にも並ならぬ愛情を示す一面などが一流(作品)を生んだのでしょうね」と話されました。

当時、"隣の赤ちゃん"だった中村氏は、その頃の記憶はあるはずもなく、本講座に当たって、父・義夫氏の四十九日の折の志賀氏をパステル画にしたため、その写真を受講者にプレゼントすることを計画。そのうれしいサプライズと、直哉から義夫氏へ寄贈された『暗夜行路』(昭和19年に出版された1000部のうちの1冊)の貴重な本を持参、その分厚い宝物は受講者の注目を集めました。

最後に、30年前からこの旧居の保存運動に取り組み、幾多の障害を乗り越えながらも、粘り強く続けてきたこと、奈良学園がその担い手となり復元にまでこぎつけた経緯を感慨深く感謝の言葉とともに語られ、「志賀直哉を風化させないよう、これからもその顕彰に努力したい」とくくられました。

"残酷暑"ともいえる暑さの中、会場の食堂は満席状態。暑さもひとしおでしたが、今まで聞いたこともない直哉の日常生活のエピソードに、受講者は興味津々の態で聞き入り、随所で笑い声もあがりました。「志賀直哉の作品は、堅くて難しいと思ってましたけど、この講座でより身近に感じられました」との感想があちこちで聞かれました。

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