◇2024-09-28 (土)
《奈良学園セミナーハウス 志賀直哉旧居》では、奈良学園公開文化講座と白樺サロンの会の2つの公開講座を開催しております。今年度の各講座の概要・日程は以下の通りになります。
※各講座につきまして、参加をご希望の方は、予め奈良学園セミナーハウス(TEL 0742-26-6490)までお問い合わせください。
参加費は各回350円(入館料込)となります。
第67回《『源氏物語』を読む 桐壺巻①》(終了)
2024年3月27日(水)14:00~16:00 講師 鍵本有理 奈良学園大学人間教育学部准教授
古典文学の中でも人気の高い『源氏物語』。今年は「桐壺巻」から、名場面を3回に分けて読むこととします。
初回は源氏物語を読むための基本的な知識(全体の構成や主要な登場人物など)についてお話ししたのち、有名な冒頭部から桐壺更衣の死までを見ていきます。
2回目以降は残された若君と帝の様子、藤壺女御の登場と源氏の元服などについて取り上げます。実際に原文を読みながら古典の面白さを味わっていきましょう。
第68回《古武道へのいざない》(終了)
2024年4月22日(月)14:00~16:00 講師 柳生久志 武神館古武道最高位師範
武神館古武道では、素手の技から入り、剣、棒、槍、薙刀、十手、手駒など様々な武器を使った組手稽古が中心である。古武道は、現代の武道の元となった伝統武芸であり、古の護身術のようなものが型として残されてきたもの。流派の内容は、戸隠流忍法体術、玉虎流骨指術、九鬼神伝流八方秘剣術などである。海外の軍や警察関係者が日本で修得して自国で広めたことから全世界に広がっているが、日本の人達にこそ関心をもってもらいたいと考えている。
第69回《菓子の歴史とこぼれ話》(終了)
2024年5月27日(月)14:00~16:00 講師 菊屋英寿(えいじゅ) 御菓子司 本家菊屋 二十六代目
何かと始まりの奈良、菓子も奈良が発祥になります。そんな菓子にまつわるこぼれ話をさせて頂きたいと思います。菓子の始まりは果物、神様にお供えした柑橘類で日本固有種の「大和橘」は奈良を舞台にした伝承があります。御祝の席に使われる紅白上用饅頭も奈良で始まりましたし、鶯餅の原型も奈良が発祥です。菓子屋の亭主の話をお気楽に聞いて頂けましたら幸いです。
第70回《国宝と関わって》2024年6月10日(月)14:00~16:00 講師 小西正文 興福寺国宝館・元館長(終了)
興福寺国宝館などの仏像、絵画、工芸品など奈良の古文化財の保存、修復についての四方山話を中心に、奈良の古美術の鑑賞、管理の長年の経験に基づく、要点とその意義を広い視野に立って座談風で披露する。|
第71回《『源氏物語』を読む 桐壺巻②》 (終了)
2024年6月26日(水)14:00~16:00 講師 鍵本有理 奈良学園大学人間教育学部准教授
3月の講座に引き続き、『源氏物語』の「桐壺巻」を取り上げます。
今回は桐壺更衣の死後、悲嘆に暮れる帝や更衣の母の様子と、若君(のちの源氏)の成長ぶりについて読み進めることとします。また、大河ドラマにちなんで、作者紫式部に関するエピソードも適宜紹介していきます。
第72回《志賀直哉と霊性:私の終活》(終了)
2024年9月30日(月)14:00~16:00 講師:大原荘司 奈良学園志賀直哉旧居館長
終活とは、「自己の霊性の開発と発展」である、という結論を妙好人などの事跡に基づいて論証する。人間の心(身)は感性と知性と霊性で構成されているという考えにより、志賀直哉の霊性と十字架の聖ヨハネの「暗夜」などを手掛かりとして、霊性開発のシナリオを探究する。
第73回《大和の雅陶 赤膚焼について》(終了)
2024年10月28日(月)14:00~16:00 講師:小川二楽 赤膚焼窯元 前奈良県工芸協会理事長
赤膚焼は奈良を代表する陶器の窯ですが、活動時期がいつから始まったかは、よくわかりません。郡山城主豊臣秀長創始説が一番古い時代になりますが資料が乏しい。江戸中期、柳沢郡山藩三代目保光ころの資料がようやく整ってきています。幕末には奥田木白の出現で赤膚焼の評価が高まりました。私の視点から赤膚焼を考え直してみたいと思います。
第74回《歌い継ぐ『日本の心の歌』~箏曲の調べとともに~》 (終了)
2024年11月19日(火)14:00~16:00 講師:瀧明知恵子 奈良学園大学人間教育学部元准教授
筝:篠原歌鶯(生田流筑紫会飛梅司大師範)、塩崎歌鶯路(生田流筑紫会大師範) 尺八:神谷仟山(都山流竹琳軒)
日本の童謡・唱歌を英語訳しているグレッグ・アーウィン氏は、「童謡に込められた『日本の心』は、米国人の私にも深く響いてくる。日本の童謡は美しい。世界に誇れる歌だと思う。それに気づいていないのは日本人自身ではないだろうか。」と語っています。今回は「秋」をテーマに童謡や唱歌、叙情歌に託された「日本の伝統文化、美しい景観や思いやりの心」を箏や尺八の調べと共に皆様方と味わい歌い合います。また、筑紫歌都子作曲「ながれ」など、伝統ある美しい調べを尺八や箏二重奏でお贈りします。日本が世界に誇れる音楽文化を次世代に引き継いでいけたらと思います。
第75回《『源氏物語』を読む―桐壺の巻③―》 (終了)
2024年11月27日(水)14:00~16:00 講師:鍵本有理 奈良学園大学人間教育学部准教授
6月の講座に引き続き、『源氏物語』の「桐壺巻」を読み進めていきます。桐壺更衣亡き後、藤壺女御の入内(じゅだい)や源氏の元服など、今後の展開のもととなる重要な場面について、原文を読み解いていきます。また、大河ドラマ「光る君へ」に関連して、史実や古典読解の面から注目されることがらについても、適宜取り上げることとします。
第76回《古代ギリシャの死生観》 (終了)
2024年12月9日(月)14:00~16:00 講師:上野久美子 奈良学園登美ヶ丘中学校・高等学校教諭
人は死ぬとどうなるのか?それはおそらく誰もが一度は考えたことのある根源的な問いです。古代ギリシャ人は、後にキリスト教や仏教で説かれた思想とは異なる死生観を持っていました。「死」について考えることは、「生」について考えることでもあります。人間の魂や霊、死に関わる神々や死後の世界といった「死」にまつわる古代ギリシャの神話や寓話、哲学的対話や墓碑銘などの史料を通して、古代ギリシャの死生観に迫ります。また、古代日本における死生観との比較も試みます。
■白樺サロンの会【志賀直哉旧居講座 2024年度】
2024年度、白樺サロンの会、志賀直哉旧居講座 各第三月曜、14時〜15時30分
作品と作家の手
災厄続きの近年に、昨今、どこか不安がよぎります。幾多の困難を越え、今日に、古都は、なお類まれな文化の輝きを伝えてくれます。古都の安寧を願うばかりです。このような時勢であれば、なおさら、人間の創造的営みに、心静かに向かい合いたくなります。今季は、この創造的な営みを作家の手にたどってみます。会は、例年のとおり志賀旧居にて、以下の講座を開催させていただきます。
5月20日、「志賀直哉と谷崎潤一郎の文学にみるもの」呉谷充利 建築史家・相愛大学名誉教授
父子の対立を見た明治末から昭和に至る作家の中に志賀と谷崎がいる。その深刻な葛藤から、志賀は東洋の古美術に惹かれて『座右宝』を編輯し、谷崎は「刺青」に綴る自らの審美の世界へと馳せている。この二人の文学者は、同様な葛藤を持ちながらも、対照的な美の世界を見せる。その二つの美が意味する世界について、考えてみたい。
6月17日、「夏目漱石 『思い出す事など』―『三十分の死』がもたらしたもの―」吉川仁子 奈良女子大学文学部准教授
志賀直哉が敬愛した夏目漱石の随筆「思い出す事など」を読みます。漱石は、明治43年「門」の連載終了後、胃潰瘍の転地療養で訪れた修善寺温泉で病状が悪化し、8月24日夜、500グラムの吐血をして人事不省となり、危篤に陥りました。懸命の治療の結果持ち直し、10月になって帰京しますが、「思い出す事など」は、この「修善寺の大患」と呼ばれる病中の体験と、病によって享け得た長閑な心持の記録です。漱石が、自らの生命の危機をどのように振り返り、何を感じ、生と死についてどう考えたのか、たどってみましょう。
7月15日、(祭日)「王子さまはなぜ来た道を戻らないのかーー『星の王子さま』をめぐって」東浦弘樹 劇作家・関西学院大学教授
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『星の王子さま』はおそらく日本で最もよく知られたフランスの文学作品でしょう。本講座では、なぜ王子さまは自分の星に帰るのに自分を毒蛇に噛ませるなどという危険で不確かな方法をとるのか、なぜ来た道を戻らないのかという素朴な疑問を、作者の生涯や文化人類学的な考察も踏まえつつ考えてみたいと思います。
8月、休講(酷暑回避のため)
9月16日(祭日)、「泉鏡花の戯曲『夜叉ケ池』を読む」西尾元伸 帝塚山大学教授
『夜叉ケ池』(大正2)は、「越前国三国ケ嶽の麓、鹿見村琴弾谷」の里を舞台とした戯曲作品です。この地には、昔、龍神が「夜叉ケ池」に封じ込められたという伝説があり、萩原晃はその言い伝えを守って、一日三度の鐘撞きを続けています。作品は、この里を萩原の親友・山沢学円が訪れるところから展開していくことになります。作者・泉鏡花は、小説、随筆、戯曲など、さまざまなジャンルにおいて幻想的な作品を書いた作家です。本講座では、戯曲という形態で書かれていることに留意しながら、鏡花戯曲の代表作と言える『夜叉ケ池』について、その幻想性と魅力とを読み解いてみたいと思います。
10月21日、「飛鳥園小川晴暘とその周辺」三浦敬任 奈良県立美術館
本講座は奈良県立美術館で2024年4月20日から6月23日まで開催された特別展「小川晴暘と飛鳥園100年の旅」に関わる作品および資料から、奈良で仏像写真館飛鳥園を立ち上げた小川晴暘の事績とその人となりを紹介します。
姫路に生まれ、写真を学びつつも画家を志して上京していた小川晴暘が、奈良の仏像や文化遺産に魅せられて関西に戻り、写真の道を歩みはじめ、會津八一との出会いから始まった飛鳥園の歴史。歴史的文化財の記録、学術的資料という枠を超えて、信仰の対象である仏教美術の本質をレンズ越しに捉え、美術的写真表現の魅力と完成度を併せ持った写真として表現し続けてきた飛鳥園の活動を紹介します。
小川晴暘は写真以外にも絵画、スケッチ、拓本、日記など様々な記録と表現でその活動を残しました。また、その活躍の範囲も日本を超えて中国、朝鮮半島、アジアの各地域へと広がる旺盛なものと知られます。残された膨大な記録や出版物などの資料をひもときながら、晴暘の活動が果たした功績に迫ります。
11月18日、「大正、昭和初期の奈良の美術について」平瀬礼太 美術史家・愛知県美術館 副館長
奈良の近代美術について、前回は明治期について取り上げました。今回は引続き、大正期・昭和初期における奈良の美術動向について解説します。当時の奈良の地は、その景勝と文化が織りなす独特の雰囲気に引き付けられた美術作家たちが、モチーフを得るために訪れ、さらには移り住む美術作家たちもあらわれたという時期にあたります。小説家など多くの文化人との交流も生まれ、一種の芸術家コロニーも成立していました。その独自性に触れてみたいと思います。
2024年の白樺サロンは、下記PDFからご確認ください。
・感染防止のために講演中もマスクの着用をお願いいたします。
・咳エチケットをお守りいただきますようご協力お願いします。
・検温で発熱がある方はご来館をご遠慮いただきます。
・ご来館時の手指の消毒や場内での手洗い励行などにご協力お願いいたします。
※新型コロナウイルス等感染の拡大状況に伴い、日程変更中止等の判断をさせていただく可能性がございます。
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
◆ 2つの公開講座、公開文化講座2024年度スケジュール詳細は以下PDFをご参照ください。