登美ヶ丘講演

登美ヶ丘講演

第3回 (平成22年2月26日)

「敬語の仕組みと正しい使い方」 筑波大学名誉教授(元筑波大学学長) 北原 保雄 氏

第3回は、国語学者の北原保雄先生をお招きしました。講演では、まず、敬語は「言葉の身だしなみ」であり、「物や行為を高めるものではなく、人を高めるも のである」と説かれました。ただし、一方で、敬語は「相手との距離を保つ」「相手との隔たりを置く」言葉でもあり、距離を縮めたいと思っている相手にずっ と敬語を使っていると、いくら敬語を使っても「他人行儀だ」と思われることもあると続けられました。そして、丁寧語・尊敬語・謙譲語、美化語という敬語の種類をしっかりと身につけること、「お」と「ご」の使い分けができること、敬語を使い過ぎてかえって“問題な日本語”を生み出してしまっていること、など の話を展開されながら、敬語を上手に使いこなすためには、相手との距離や隔たりに対するバランス感覚が基本であり、相手が近づきたいと思っているのか、距 離を置きたいと思っているのか、下がりたいのか、もっと上げてほしいのかを“思いやって”使うことが必要である、敬語以前の悪い(汚い)言葉を知らない間 に使っていたり、かえって失礼な言葉遣いになったりしないように気をつけて、正しい敬語、正しい日本語を身につけてほしいと結ばれました。