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3学期始業式・演劇部新春公演

校長
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1月8日(火)、3学期の始業式を迎えた。1限目のY始業式で式辞を述べた。「2学期の終業式の続きの話である。その折に触れた2018年ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドさんの『THE LAST GIRL』をこの冬休みに読んだ。イラクの首都バグダッドを過ぎてチグリス川沿いに遡った地域での、ISIS(Islamic State of Iraq and Syria)による大量虐殺や女性への性暴力に衝撃を受けると共に、それらの地域・人々・考え方などをまったく想像もできない自分の存在を思うと同時に、一読ではあってもまず"知る"ということの大切さを思った。民族・宗教・男女・貧富の違いによる人間の差別意識と対立について考えさせられた。そして、これらのことから『学校で学ぶとは何か』ということを考えてみた。知らなかったことを知ることの意義が学校での勉強にはあると思う。しかし、そうして獲得した知識だけで満足するのではなく、それをどう利用して行くのか、そこから何を思考し、どう生きていけばよいのかを考えなければならないと思った。センター試験が迫ったY4生諸君、知識がすべてではない。それがスタートである。その知識を活用できる、自分がどう生きていくのかを試せる大学を目指してほしい」といった話を述べた。

式後、HR活動を終えた生徒たちを対象に、演劇部による新春公演がサイエンスホールで行われた。タイトルは「千年の樹」。オリジナル脚本であり、舞台はこの学校の、この場所である。まずその設定に感心させられた。この地には樹齢1000年のイチイガシの木があったと言う。しかしその木が造成と共に切り倒され、その木に住んでいた精霊たちも消え去ってしまう。今の学校に起こっている奇怪な現象はそれらの亡くなったはずの精霊たちの仕業だというのだ。当時このイチイガシを研究していた女性が学校見学に訪れたことによって、その事実が分かる。奇怪な現象を解明しようとするオカルト研究会のメンバーたちや、はしゃぎまわる精霊たち、生徒が勉強をしないのを嘆く教師の姿(ここはドキッとした)など、キャストの設定もよくできていて、ストーリーにうまく絡みついていたと思う。如何せん、学期始まりということで、学期終わりののんびりムードの生徒が少なく、観客が多くなかったのが演劇部諸君には残念だったと思う。