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第16回登美ヶ丘講演

校長
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2月 18日(土)、中高生を対象に「第16回登美ヶ丘講演」を実施した。今回は、「いのちを考える -心臓突然死についての取り組み- in Naratomi」というテーマで、昨年11月に本校生が出場したinochi学生プロジェクト主催による「inochi学生フォーラム最終選考会」でお世話になった方々をお招きしてのリレー形式の講演会となった。

最初に、inochi学生プロジェクトの清元佑紀さん(大阪大学医学部医学科4年)に提言をいただいた。「心原性心肺機能停止から救われた命はたった4%という現状を少しでも改善するために、医学生として、さらに若い中高生にも呼びかけながら活動している」と話された。そして、「他人事だと思わずに、自分が主体になって行動することが求められている」と本校生たちに対して熱く語ってくださった。

次に、「inochi学生フォーラム最終選考会」に出場したY1生たちの「大和金鵄チーム(森田・世耕・大竹・笠井)」による"スマートフォンを利用した健康管理アプリによる心臓突然死予防"と、Y3生の「チームえだまめ(土井・宇藤・木村)」による"調剤薬局を利用した心臓突然死予防やAED使用法の啓発活動"の発表が行われた。それぞれの内容やプレゼンテーション力に多くの生徒が感心していた。

休憩後に登壇したのは、本校の卒業生である田畑君(京都大学工学部3年)である。本校の中学1期生である彼がY3時のオーストラリア語学研修中に体験した心臓発作のことを語ってくれた。彼にこの話をしてもらうことには私たちにもためらいがあったが、お世話になった方々や後輩たちのために、ということで快く引き受けてくれた。体験談の後は、「たくさんの人が私のことを心配し、動いてくれた。そうした繋がりがなければ人は行けてゆけないと思う。多くの人の心の力を感じながら、私は日々生活し、生きています」と結んでくれた。涙が出た。

最後に登壇いただいたのは、「inochi学生フォーラム最終選考会」で審査員を務めてくださった岸森健文氏(滋賀県立成人病センター循環器内科医、「減らせ突然死」事務局)である。医師としての忙しいが充実した毎日を述べてくださった後に、「心臓の病気は決して大人だけの話ではない。心臓突然死をもっと自分のこととして考えてほしい」、「5分以内のAED装着で多くの命を救うことができる」などと訴えられた。すべての講演に対して、生徒たちは真摯な態度で聴いてくれた。今回の講演が彼らの心に響き続けてくれることを願っている。