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P4吉野和紙紙漉き体験

校長
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10月20日(木)、P4社会科「わたしたちの奈良県~特色ある地域の様子~」という学習の一環で、昨年度からお世話になっている奈良県吉野町の「福西和紙本舗」の福西正行さんと奥様にお越しいただき、P4生たちが紙漉きを体験しました。

この体験は、奈良の伝統産業である和紙作り体験を通して、地域の良さに目を向けること、職人さんとの交流を深めること、そして、今回各自が作った和紙を使って世界でたった一つの手紙を作り、3学期の「プライマリー修了式」後の「感謝の集い」で、10年間成長したことの喜びと育ててもらった感謝を伝えるために、保護者の方に手渡すことをねらいにしています。

児童たちは、班ごとに、福西さんが用意してくれた楮(こうぞ)を入れた水槽に向かい、福西さんと一緒に簀(す)を挟んだ桁(けた)を持って、水槽の中の原料を掬い取ります。遠慮せずにたっぷりと掬い取り、簀にまんべんなく広がるように大きく揺すります。思っていたより力が必要です。そして、原料が全体に行き渡ったところで、ピタッと桁を平行にします。これをそっと次のテーブルに運び、そこで彩色をします。赤・青・黄・緑・紫などの色が用意され、子どもたちはここで自分だけの和紙に仕上げていきます。福西さんの奥様によれば、この彩色に使う液は草木染に使うものだそうで、自然の材料から作られているとのことでした。淡いきれいな色の液を使って、子どもたちは花や虹、様々な模様を描いて大いに楽しんでいました。

彩色が終わると、もう一度桁を福西さんに渡します。この上にもう一度原料を流し込むのです。さすがにこれは子どもたちには難しいようで、さっと一汲み、福西さんの職人技が冴えました。そうして出来上がったものを、奥様が受け取り、桁から簀を外し、さらに簀から濡れた紙を上手にはがしながら、前の人の紙の上に重ねていきます。これも見事な職人技です。こうして子どもたちの紙漉き体験が終了しました。

後は、ゆっくりゆっくり時間をかけて乾燥させます。「100年後にも残る紙だよ」と、福西さんは子どもたちに話します。手作りで、原料から物を作り、時間をかけて完成を待ち、できたものを大切に長く使うという、ものを大切にする心を学んでくれたことだと思います。